Atlas Support
Research経済学

所得リスクの構造と家計の資産形成――日本の所得統計を参照したライフサイクル・ポートフォリオ選択

同じ幅の所得減少でも、翌年に元に戻る場合と、何年も続く場合では、家計の備え方は変わるのでしょうか。Atlas Supportの経済研究チームが、所得変動の大きさをそろえ、持続性などの違いで貯蓄と株式保有がどう変わるかを比較したモデル研究を紹介します。

日本の公表所得統計を参照したモデル比較

所得変動の尺度をそろえた上で、変動の持続性、一時的・持続的なリスクの構成、変動の分布が異なる七つの所得過程を比較しました。株式市場への参入・保有費用を組み込んだモデルで、25歳から退職後までの消費、貯蓄、株式保有を追います。

同じ変動尺度でも資産形成の経路は変わる

金融条件をそろえて持続性を変えた三つのケースでは、40歳時点の平均金融資産は716万円から1,509万円まで幅がありました。これはモデルの仮定の下で得られた比較で、日本の家計の所得過程や選好を直接推定した数値ではありません。