戦略を増やさず、配分方法だけを比較する
均等配分は各戦略に同じ資金を割り当てます。リスクパリティは、資金額を同じにする代わりに、各戦略のリスクへの寄与を考えて重みを決めます。機械学習を使う場合に問いたいのは、こうしたルールを基準にして、どの戦略にどれだけ配分するかの判断を改善できるかです。
比較には2022年2月から2025年11月までの10戦略の日次リターンを使い、いずれも月次で配分を決めます。同じ戦略と期間を使うことで、良い成績の戦略を一方にだけ加えることによる差と、配分の差を混同せずに済みます。
リスク調整後の差はどこから来たか
対象期間では機械学習による配分のシャープレシオが最も高く、改善は主にリターンの増加によるものでした。シャープレシオは、無リスク利子率を上回るリターンを、ポートフォリオ自体の変動と比べます。一方、リスクパリティに対するインフォメーションレシオは約0.94でした。こちらは、比較対象を上回るリターンを、その差の変動と比べた指標です。
シャープレシオだけでは、リスクパリティを上回るリターンがどれほど安定していたかは分かりません。二つの指標は、ポートフォリオ自体の成績と、基準となる配分手法との差をそれぞれ捉えます。ここで示しているのは、使用した10戦略と期間内での差です。
別の期間やコストを含めて何を確かめるか
配分モデルを評価するには、学習や調整に使った時期と評価に使う時期を分けても差が見えるかを確かめる必要があります。配分を頻繁に変えるモデルなら、回転率や取引費用を織り込んだ成績も、運用上の評価を左右します。
配当込みTOPIXとの比較や因子モデルによる分析は、どの市場リスクを引き受けた結果として成績の差が出たのかを調べる次の問いです。配分手法に価値があるかを判断するには、対象期間での順位に加え、どの条件なら差を再現できるかを見る必要があります。